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新居浜の郷土資料室『ふるさとラボ』には、心ときめく展示物がいっぱい! ~考古学へのロマン編~

2023.02.07

新居浜市の市民文化センター本館内にある、郷土資料室『ふるさとラボ』。
ここがどういう施設なのか、よく知らない方は多いのではないでしょうか。
私自身もなんだか面白そうな展示物があることは知っていたけれど、内容は曖昧……
ということで、施設や展示物について詳しくお話をうかがってきました。

施設の入り口。文化センター本館一階の奥にあります。
現在、四国にあるミュージアムカードラリーが開催されているそうで、ふるさとラボも88施設のひとつなのだそう。
参加者は、このようなカードがもらえるそうです。

ふるさとラボってどういう施設なの?

郷土資料室と呼ばれている通り、現在の新居浜市をかたちづくってきた

・『考古資料(埋蔵文化財)』
・『民具玩具(昔の暮らし)』
・『岩石鉱石(地質学)』

についての資料を展示している施設です。
それぞれについて、少し詳しくお伝えしてみたいと思います。

考古資料(埋蔵文化財)について

新居浜には8000年ほど前から人が住んでいたと考えられており、当時の生活用品などが各地で出土しているそうです。

形がしっかり残っているものもあり、時代ごとの違いを見るのも面白い

歴史の授業で一度は見たことがある『縄文土器』も、新居浜で出土しているんだそう。
そんな古い時代から新居浜に人が住んでいたとは思っていなかったので、これはかなり意外でした。

また、駅前にある(あかがねミュージアムのあたりですね!)正光寺山しょうこうじやま古墳からは、
玉(翡翠ひすいの勾玉など)で作られた首飾りや耳環じかん(イヤリング)、冠の一部が出土しており、当時の権力者がいたことが分かっているそうです。

新居浜に冠をつけるような人がいたのだと思うと、なんだかロマンがあります。
どんな人がつけていたのか、どんな生活をしていたのか、当時を見てみたいですよね。

また大生院の正法寺では、近年多くの貴重な出土品が出たそうで、現在文化財などの登録に向けて調査を進めているそう。

正法寺から出土したもの。2018年に発掘されたばかりだそう。
泥塔と呼ばれるもの。平安後期のものと推測されています。

泥塔でいとうは先祖供養などに使われていたそうで、時代によって形状が異なることから、大体の時代が推定できるそうです。
いわゆる流行の形というものが、いつの時代にもあるということですね。

ただ、新居浜で出た泥塔は他で出土したものとは少し形が違っており、その点も含めて歴史的価値があるそうですよ。
このお話はとても面白かったので、ぜひ現地で職員さんのお話を聞いてみてください。

そして、ふるさとラボにある指定文化財はこちら!

経筒きょうづつと呼ばれる、お経を中に入れて使う道具だそうです。
平安時代のものと考えられており、状態の良さ、珍しさから文化財に選ばれたのだそう。
残念ながら中には黒い破片しか残っていなかったようで、
誰がどんなものを入れていたまでは分かっていないそうですが、見た目の美しさや存在感はぜひ現地で味わってほしいです。

他にも紹介しきれなかった考古資料も多くあり、歴史や考古学がお好きな方はもちろんのこと、あまりよく知らない方でも大丈夫!
施設職員さんが、詳しく説明してくださいます。
お話を聞きながら展示物を見ると、より深く楽しめますよ。

後編へつづく!

(取材・写真/箱田千尋)

【取材先】
郷土資料室ふるさとラボ
〒792-0023 愛媛県新居浜市繁本町8-65
新居浜市市民文化センター本館1階
TEL:0897-34-7099

開館時間 10:00~16:00
休館日 土日祝日・年末年始
入館料 無料
駐車場 市民文化センター駐車場をご利用ください