Mt.ISHIZUCHI石鎚山脈登山道情報関連

【石鎚山々登山部】黒森山・辻ヶ峰(新居浜市)

2023.01.30

【取材日】2022年12月10日(土)
【取材先】黒森山・辻ヶ峰(新居浜市)
【名 前】佳奈

今回は数年前に困難なルートと降雪に阻まれ悔しながら撤退した、黒森山バットレスと呼ばれる、文字通り東尾根を“這い上がる”超難関ルートにリベンジマッチ。
沓掛山〜黒森山の稜線に合流してから、辻ヶ峰を経由してマイントピア別子に下りる予定です。

登山口への入り口となる、県道47号線から見上げるゴツゴツとした黒森山の山容は、妙義山を思わせるような荒々しさで、まさに立ち上がる巨大な絶壁。
足を踏み外したら即「さよなら〜」となる平均斜度45度の細尾根を、行く手を阻むシャクナゲの尋常ならぬ藪をかい潜り、ときには90度に立ち塞がる岩壁を無理矢理よじ登り、ただただひたすら這い上がるという修行のような山登り。

どこが安全に通過できるルートなのか探りながら手掛かり足掛かりを見つけ、指先がやっとかかるほどの小さな出っ張りや、シャクナゲの枝をつかんで「うんとこどっこいしょ!」と体を引き上げることの繰り返し。
しかも時期外れのポカポカ陽気に溶け始めてはいるものの、途中からは雪のゾーンに突入してさらにスリル度アップ。

アドレナリン出まくり。
ああ、楽しい…!

“すぐそこに見えているのにいつまで経っても着けない稜線”に上がれた瞬間は、嬉しすぎて思わず叫んでしまったほど。
久しぶりにこんなにタフなルートに出会えました。

復路は辻ヶ峰を経由してマイントピア別子まで下りるのだけど、この下りもまた半端なく急斜面の細尾根。
容赦なく道を遮る大きな岩の塊や倒木が連続し、踏み跡が見えないところも多々あり。

ただ午前中を通して、連続する障害を乗り越えることに快感を覚えるということが発覚したのも事実。
同時に今まで登ってきた山でキツイなーと思ったのは、全てまやかしだったということもよく分かりました…(笑)

そして辻ヶ峰を越えて、さらに標高が下がったところにある、鹿森社宅跡。

別子銅山の遺構は今までにもいろいろなところを訪れましたが、これほどの規模の遺構に出会ったのは初めてかも。
メインストリート的な石積みの立派な階段、今でいうところの豪邸跡、ここにしかなかったという共同浴場跡、竃、水路、渡り廊下…

何もかも興味津々。
間もなく日が落ちそうな時間帯でなければ、もっと奥まで歩きたかった。。。

しかし、黒森山バットレスは難所中の難所。
だからこそ魅力的なルートでもあります。

※ご注意
今回ご報告した黒森山までのルートは正規の登山道とは違う、いわゆるバリエーションルートです。
実際に相当危険な箇所も多々あるので、技術・経験を積んでからでないと挑戦は不可。
基本的にソロはNG&ロープワークの基礎知識&ヘルメット等の装備も必要。
登山経験がある程度以上ある人でも、初めての場合はこのルートを熟知した人と一緒に歩くことを強くお勧めします。
沓掛山からの縦走路が一般的なルートとしてありますので、そちらをご利用ください。

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積雪状況や気象状況は日々変動し、現在のものとは異なりますのでご注意ください。
また、積雪期の雪山登山は夏以上に多くの危険が伴うため、事前の情報収集や入念な準備を行い、各自ご判断をお願いします。
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【えひめさんさん物語フォローアップ協議会からのお知らせ】
愛媛県では、12月15日から県の警戒レベルを「感染警戒期 特別警戒期間」へ引き上げ、新型コロナウイルス感染拡大防止のための要請を強化しております。
皆様におかれましても、引き続き感染回避行動の徹底をお願いします。