法皇山脈魅力発信プロジェクト

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法皇山脈とは

法皇山脈(ほうおうさんみゃく)は、石鎚山脈の笹ヶ峰東部から北東に出た山の支脈です。標高1200mから1700m級の山々で構成される法皇山脈は、新居浜市、四国中央市にまたがり、多数の高山植物や天然記念物があります。山脈は海岸にほぼ平行に走り、西から順に西赤石山、東赤石山、二ツ岳、ハネヅル山、赤星山、翠波峰などが連なっています。標高は東赤石山が最も高く、東西の山々の標高は徐々に低くなります。また、ハネヅル山から西の山を指して赤石山系とも呼ばれます。ここでは法皇山脈のうち、8つの山々をご紹介します。

山に咲く花

銅山峰

銅山峰の標高は1294mあります。江戸から明治にかけての別子銅山繁栄期には数多くの人や牛馬がここを往来しました。現在でも旧別子や東平からの登山者など様々な人が行き交う重要な拠点となっています。山頂部には、峠越えで力尽きてしまった無縁仏を供養するための峰地蔵が安置されています。銅山峰は「ツガザクラ」などの高山植物が群生しています。

西赤石山

西赤石山は、標高が1625mあります。西赤石山に連なる「カブト岩」は兜のように突き出たかんらん岩体です。4月下旬になると北斜面にアケボノツツジが咲きはじめ、5月中旬には山頂まで咲き上ります。西赤石山から東赤石山にかけて、通称「銅山イチゴ」と呼ばれる「アカモノ」が実るなど、100種類以上の貴重な高山植物が自生しています。

山の風景

東赤石山

東赤石山は、赤石山系のほぼ中央に位置し、標高は1706mと、法皇山脈最高峰です。赤茶色に酸化したかんらん岩が「赤石」の語源とされています。「花の百名山」のひとつとして数えられる東赤石山では、シコクギボウシなど様々な高山植物を見ることができ、東赤石山に自生する高山植物の種類は四国随一です。

権現山

標高1593mの権現山東側にある巨大な岩体は、法皇神社です。法皇権現とも呼ばれ、水源と旅人を守る神として祀られ、雨乞い踊りが奉納されていました。権現山山頂に露出しているエクロジャイトは世界で20ヶ所、日本では権現山でしか見ることができない非常に貴重な岩石です。地球の構造を知る手がかりとなることから注目を集めています。

松ぼっくり

二ツ岳

二ツ岳の標高は1647mです。頂上に岩峰が2つ並んでいることからその名がつきました。ハネヅル山と二ツ岳の間の鞍部は峨蔵越といわれ、四国中央市川之江と高知県大豊町を結ぶ古道があります。春から初夏にかけて、尾根付近ではアケボノツツジやシャクナゲの花が咲き、5月下旬にはブナの新緑を、そして秋には紅葉を見ることができます。

赤星山

赤星山は標高1453mです。かつて西行法師が赤星山の姿を見て感嘆し「忘れては富士かとぞ思ふ これやこの伊予の高嶺の雪のあけぼの」と詠んだとされています。このように整った形状から赤星山は伊予小富士とも呼ばれています。皇子渓谷沿いの登山道では、機滝や布引滝など大小様々な滝を見ることができます。春ごろには希少なカタクリの群生を楽しむことができます。

山頂から見下ろした風景

豊受山

標高1247mの豊受山は、豊受神社を祀り、「おといこさん」とも称されます。山頂には、豊受神社の奥社があります。豊受神社は、斉明天皇が筑紫行幸の途中に四国を訪れた際に、五穀豊穣の神である豊受姫命を祀ったことが由来とされています。神社の社殿は、伊勢神宮の式年遷宮に合わせて建て替えられます。豊受神社の境内には法皇山脈から吹きおろす「やまじ風」を封じるために、風封じの神事をおこなう風穴があります。

翠波峰

標高889mの翠波峰を中心に、翠波高原が広がります。かつて牧場として利用されていた翠波高原は、今では桜やコスモスなどの季節の花が山を彩ります。翠波峰の山頂近くには水波権現という水の神を祀る神社があり、古くから雨乞いが奉納されてきました。現在では、水を要する製紙業に携わる人々の信仰を集めています。明治期までは山も水波峰と呼ばれていましたが、山の緑が美しいことから「翠波」に改めたとされます。

法皇山脈・新居浜市・四国中央市についてくわしくは

山旅にでかけるなら、まず博物館に行こう!

博物館
旅のメモ

山はどのような形をしているのか、山にはどのような動物・植物がいるのか、山にはどのような暮らしがあったのか。これから登る山のことを知ると、もっと「山旅」が楽しくなる-わたしたちの山旅では、まず博物館に行くことをおすすめします。法皇山脈に登るなら、ぜひ愛媛県総合科学博物館を訪ねてみましょう。法皇山脈の地形や岩石、高山植物や動物、別子銅山の産業史など、山にまつわる情報が集まっています。これから実際に歩く新居浜市・四国中央市には、動植物の生態、地場産業など、あなたの知らない魅力がいっぱいです。博物館で得た気づきや驚き、感動と共に、法皇山脈の山々と山裾に広がる町々へ出発しましょう。旅の中で新たな発見があるかもしれません。