法皇山脈魅力発信プロジェクト

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知っておきたい山旅

わたしだけの「山旅」を実現するために、まず山に登るために必要なことを勉強しましょう。準備と情報収集、計画や判断、自然や文化を守る気持ち、ひとを思いやるマナー、あたりまえのことができれば、山旅はもっと身近な旅になります。
わたしたちがこの「山旅」プロジェクトで学んだ知っておきたい11のことを発信します。

山登りの計画を立てよう

1.山登りの計画を立てよう

まずは登山の計画を立てましょう。いつ、だれと、どの山に登るかはもちろん、必要になる道具や食料、コースタイム、休息のタイミングも事前にしっかり確認することが、安全な登山に繋がります。とくに初めて山に登る人は、山に詳しいガイド、友人など、一緒に登る人を見つけましょう。初めての登山計画でも大丈夫。登山に詳しい人にアドバイスを受けながら、登山に関するガイドブックや登山記録等を参考に、ひとつずつ計画を立てましょう。この計画の内容は、一緒に登るパーティーや家族と情報共有しておきましょう。

山旅の荷物をつくろう

2.山旅の荷物をつくろう

山旅で重要なことは荷造り(パッキング)です。うまく荷造りすることで、天候不良でもすぐに荷物を出すことができ、肩や腰の負担を軽減できます。まず、山の天候は変わりやすいため、防寒着やレインウェア、荷物を雨から守るためのザックカバーを必ず入れましょう。登山靴は、岩や砂利などの悪路でも疲れにくく、足を保護してくれます。登山では季節を問わず多くの汗をかくため、水分は多めに持参し、塩分や糖分を補給するための行動食を持っておきましょう。わたしたちの登山をリードしてくれるアイテムとして、地図や高度計、コンパスも役に立ちます。転倒時に手を保護してくれる手袋やファーストエイドなど万が一の準備も忘れずに。準備を万端にして楽しい山旅にしましょう。

情報収集をしっかりと

3.情報収集をしっかりと

山に登る前には必ず情報収集をしましょう。山麓、山頂の天候や日没時間、登山道の落石等の危険箇所の情報を公的機関のホームページなどで情報収集し、無理があれば計画を見直すことも大切です。また、登頂予定の山に関する登山レポートやGPS記録など公開されているものを参考に、登山中の注意箇所やトイレ、給水ポイントなどを確認しましょう。行程では設備の位置を考慮し、あらかじめ済ませたり、ときには携帯用トイレなどを準備物に加えたりする必要があります。事前に登山ルートを地図上に記入したり、GPSアプリ等をダウンロード・起動させたりしておくと、遭難リスクの低下に繋がります。

登山届を提出しよう

4.登山届を提出しよう

登山届(登山計画書)とは、旅程や登山の行程、緊急連絡先など、登山計画に必要な情報を簡潔にまとめたものです。提出しておくことで、緊急時の救助の手がかりとなります。登山の際には、登山届を山が位置する地域の警察署や交番に事前に提出するか、登山道入口に設置されている登山届用のポストに入れましょう。近年ではオンラインで提出可能な自治体もあります。登山届のフォーマットは、日本山岳協会など登山関連のホームページで公開されているものを参考にしてください。

準備運動、登って下りたら整理運動

5.準備運動、登って下りたら整理運動

登山前にはケガ予防のために準備運動をしましょう。パーティーで集まり、お互いに声をかけあってその日の体調を確認しつつ、足腰を中心にしっかり伸ばしておきましょう。出発前には、靴紐・リュック紐の最終確認をすることも重要です。靴紐を強く結び、さらに肩への負担を軽減するためにリュックのウエストベルトを調整しましょう。下山後も同じです。翌日の疲労蓄積緩和のために、足腰をしっかり伸ばし、クールダウン(整理運動)をすることが大切です。

しっかり水分 しっかり休憩

6.しっかり水分 しっかり休憩

長時間歩き続ける登山ではこまめな休憩が重要です。あらかじめ定期的な休憩ポイントを決め、短時間でも身体を休めましょう。登山中は季節に関係なく体温が上昇し大量に汗をかくため、休憩中に服装の脱ぎ着を繰り返し、体温を調整することが大切です。また疲れやのどの渇きを自覚する前に糖分や水分を補給しましょう。チョコレートなどの行動食をパーティーの仲間と交換することも、山旅の楽しみのひとつです。

山では人に思いやり お互いに道はゆずりましょう

7.山では人に思いやり お互いに道をゆずりましょう

登山中、他の登山者と出会う機会が多々あります。「こんにちは」「お気を付けて」などの挨拶は山登りの基本です。休憩や下山中に、他の登山者とすれ違う際には山側に避け、谷側の道をゆずりましょう。また、登山中にほどけた靴紐を一人立ち止まって結んでいると、後続と衝突したり、仲間とはぐれてしまったりするので大変危険です。靴紐がほどけた際には、パーティーにその旨を大きな声で伝え、仲間も一緒に立ち止まってもらうことが大切です。

危険なハチ・ヘビ・アブ 無理しない

8.危険なハチ・ヘビ・アブ 無理しない

登山では道中で貴重な動植物を見ることも楽しみのひとつです。しかし、山にはハチやアブ、ヘビなど毒をもつ生き物がいることを忘れてはいけません。危険な動植物やその巣に遭遇した際には無理をせず、刺激しないように、ときには引き返すことも重要です。ポイズンリムーバーなどをファーストエイドに入れておくことも大切です。自然の中を歩くことはとても楽しく有意義ですが、その反面、虫やヘビ、急激な天候の変化、崩れた道など危険もあります。危険に対する最低限の知識と危機意識を持って、安全に登山を楽しみましょう。

文化遺産を大切にしよう

9.文化遺産を大切にしよう

ここ法皇山脈には、銅山として栄えた産業遺跡や、人々の生活の跡、信仰の対象である神社など、地域が大切に守りたい文化遺産が多く点在しています。保護柵や看板が無くても、むやみに近づいて壊したりすることが無いよう、登山客もまた、地域を理解し、地域に敬意をはらえる「よりよき旅人」であることが重要です。地域の歴史文化にふれることは山登りの楽しみのひとつです。ときには山で暮らした人々の歴史や文化についても調べ、実際に訪れた際には、当時の様子に思いを馳せてみましょう。これらの歴史や文化を大切に保存継承していくことも登山のルールです。

ごみは持ち帰る 自然を大切に

10.ごみは持ち帰る 自然を大切に

荷物は袋に分けてパッキングし、準備の段階でごみを減らす工夫をしましょう。場所によっては携帯用トイレを持つなど、事前の準備をしておくことも必要です。赤石山系は昭和50年に愛媛県の自然環境保全地域に指定されています。山中には、カタクリやツガザクラといった貴重な植物を保全するために、地元の方が尽力し、群生地周辺に保護用のロープを設置している箇所があります。立ち入って小さな芽を踏んでしまうことが無いように、外から大切に眺めましょう。一人ひとりが心がけることで、これから先もカタクリやツガザクラに花が咲きます。

地図を見てルートを確認 余裕をもって下山しよう

11.地図を見てルートを確認 余裕をもって下山しよう

登山では、地図を用いてルートを確認しましょう。山岳系アプリケーションをダウンロードしGPSを使うと、現在地をより正確に把握できます。登山中は適宜、予定の登山ルートと照らし合わせながら進み、この先の行程にかかる時間を調整しましょう。また、山中では日が陰り始めると、登山道に生い茂る木々で影ができ、当該時刻よりも薄暗く感じます。日が沈む前に、時間を確認しながら余裕をもって下山をすることが大切です。