MAGAZINEプチさんマガ

集まって話せる場所を
「大島交流センター だれでも食堂」

2023.03.24

新居浜市大島交流センターは、廃校した小学校を活用してできた公共施設です。

その大島交流センターで、月1回だれでも100円でご飯が食べられる「だれでも食堂」が、連合自治会、社会福祉協議会、交流センターの3者によって運営されていると聞き、お話を伺ってきました。

▲みんなワクワクしながら交流センターにやってこられます。

誰かと話したい

大島には、飲食店やコンビニエンスストアがありません。
10年前までは島民の方がうどん屋さんをされていたそうですが、島内から島外に買い出しに行くのがしんどくなり、辞めてしまわれたそうです。
そのため、月に1回行われる「だれでも食堂」は島民の方が本当に楽しみにしているイベントなのです。

「だれでも食堂」が始まったきっかけは、人が集まって話ができる場所がなかったことでした。
高齢者独居世帯が多くを占める大島では、自宅から出る事が少なく、島内を歩いていても誰にも会わないため、「誰かと話したい」という切実な声があがっていました。
そこで、とにかくみんなが集える何かをしたいと考えました。
その中で、『食を楽しむ』事がなかなか難しい大島で、だれでも参加できる食堂をやれば、高齢者の方が、沢山参加してくれるのではないか。
しかも自宅から交流センターまで移動することが、「運動不足解消」にもなるのではないかと考え、月一回だれでも100円でご飯が食べられる「だれでも食堂」が始まることになりました。
無料にしなかったのは、無料だと逆に食べに行きにくいと言われたからなのだとか。
食堂を始めたころは、コロナ前だったため、30人ぐらいの方が、みんなとの食事を楽しんでおられました。
「だれでも食堂」は、名前の通り島民の方だけでなく、畑仕事などで来られている島外の方にも開放しています。久しぶりに会える知り合いとの交流も、島民の方には楽しみのひとつになっているのだそうです。

▲島民の方とお話されている村上和夫館長。
▲この日は、パンやコロッケもあり、みなさん嬉しそうに選んでおられました。

コロナで変化したこと

新型コロナウイルスの蔓延により、大島交流センターでの飲食ができなくなりました。
みんなでワイワイ話しながら食べるという事ができなくなり当初の目的と変わってしまうとも思いましたが、既に島民の方は「だれでも食堂」を楽しみにしておられたため、持ち帰り制に切り替えて続けていこうということになりました。
持ち帰り制を始める前、「誰かと話す事が減るのではないか」という懸念がありました。
しかし、島民の方は交流センターに早く来て話しておられるそうで、その心配は杞憂に終わりました。
皆さんそれだけ毎月ある「だれでも食堂」で誰かと会って話せる事をを楽しみにしていたんですね。
持ち帰り制にして変化もありました。
コロナ前は、30人ほど食べに来られていましたが、持ち帰り制にしたところ、80食〜100食に増えました。
理由は、足が悪いなどの理由で、交流センターに食べに来られなかった人の為に、近所の方が配ってくれるようになったからだそうです。
当初の目的とは違いますが、多くの人に届き、たくさんの方が喜んでくれるようになりました。

▲職員の方やボランティアの方たちで食事を作る。この日はカレーでした。

今後のだれでも食堂

コロナが落ち着いたら、また交流センターでの飲食をしながらの食堂を再開するそうです。
島民の皆さんも楽しみにしておられるでしょうね。
しかし、持ち帰りも続けて欲しいという話もあり、今後その辺りをどうしていくか考えていきたいと仰っていました。

最後に、さらに高齢化が進んで、「だれでも食堂」へみんなが来られなくなったとき…どのように対応していくのか、今から考えていかないといけない課題ですと仰っておられたのが印象的でした。

美味しいカレーをありがとうございました。

【問い合わせ先】
新居浜市大島交流センター
〒792-0891愛媛県新居浜市大島589
TEL 0897-45-1006

(取材:富永雅美 / 写真:富永雅美)