MAGAZINEプチさんマガ

時代の変化を受け入れながら、地域の伝統食文化をこれからも残していく

2022.03.25
▲一目でわかるえびちくわが目印!

こんにちは。

プチさんマガ編集部の菊池です。

えひめさんさん物語でチャレンジプログラム「えびちくわを見て知って体験しよう」を実施した、四国中央市の有限会社青木蒲鉾店さんに、その後の反響はどうなったのか取締役の青木真理さんにインタビューしました。
コロナ禍でえびちくわ製造体験などが制限されている中、これからの展望を伺いました。

えひめさんさん物語後の反響

「チャレンジプログラムをきっかけに、実際にえびちくわを作ってもらう体験をしてもらっていましたが、現在はコロナ禍などもあって難しく、市内の小中学生に職場を見学してもらう程度に留めて実施しています」と話す青木さん。

▲2019年のチャレンジプログラムでの一コマ、えびちくわのあぶり体験。写真右が青木真理さん。

本来であれば、えびちくわに入れてみたい具材を持参してもらって一緒にオリジナルのえびちくわを作ってもらう経験をしてもらいたいそうです。

「現在、えびちくわをよく買ってくれる方は60代以上の方が多く、子どもたちにもっと身近な存在になってほしい」と話してくれました。

えびちくわをこれからも残したい

えびちくわは、愛媛県と香川県の燧灘に面する地域に明治時代から伝わる歴史ある食べ物です。この地域は主材料のジャコエビがよく取れ、愛媛県では竹に巻いてちくわに、香川県では油で揚げて天ぷらにして食べられています。

愛媛県で海産物の練り物といえばじゃこ天を思い浮かべる人が多いと思いますが、えびちくわには白身魚やお豆腐も使っていて、一般的なちくわと比べてカロリーは低く栄養価は高い食べ物になっています。

▲店内ではすぐに食べられるえびちくわも販売。
▲イベントでよく見たじゃこカツバーガーが予約制ながら店頭で食べられます!

青木さんは「四国中央市の市街地には、道の駅のような遠方からお客さんが来て買い物をする場所があまりないので販売場所が少ないのですが、いろいろな場所で購入できるようしたい」と今後の展望を話します。

また、えびちくわを真空パックで包装する新商品も発売し、従来は1週間程度だった賞味期限がぐんと長くなりました。「家庭に常備できるようにすることで食べる機会を増やしていきたい」とのことでした。

えびちくわの販売だけでなく、観光地などで露天スタイルで焼き売りをしている事業も主力だったそうですが、このコロナ禍で非常に厳しい時期が続いているそうです。

「昨年はクラウドファウンディングを実施したりして多くの人にえびちくわを知ってもらう展開をしました。最盛期には四国中央市だけでも30軒以上あったえびちくわの生産者も、現在では2軒しか残っていません。この食文化をこの先もずっと残していきたいです」

そう話す青木さんに、えびちくわへの思いの強さを感じました。

▲冷蔵ショーケースには商品が所狭しと並んでいます。
▲最近送っていますか? お中元やお歳暮用の商品もありますよ。

おまけ えびちくわの調理方法

そのまま食べるのはもちろんですが、うどんに入れたり(切ってもいいがそのまま乗せてもいいらしい!)、マヨネーズと和えたり、酢の物に入れたり、お味噌汁の具材にしたりする人が多いそうです。

ちょっと変わったところだと、パンの上にスライスして乗せ、マヨネーズとチーズをかけて焼けば、朝食からおいしく栄養満点。さっそく試してみたい朝食ですね。

市内のピザ屋さんともコラボしてピザの具材にしてみたりもしたそうで、これまでの既成概念にとらわれない柔軟な発想には驚きました。

(取材/菊池睦)

【今回取材したお店】

有限会社青木蒲鉾店 えびちくわの里

住所:四国中央市寒川町1182

営業時間:9:00~18:00

電話番号:0896-23-3935