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新居浜の郷土資料室『ふるさとラボ』には、心ときめく展示物がいっぱい! ~鉱物の魅力は沼編~

2023.02.09

新居浜市の市民文化センター本館内にある、郷土資料室『ふるさとラボ』。
ここがどういう施設なのかは前編の記事(リンク貼る予定)でお伝えしました。
後編では展示資料のうち、

・『民具玩具(昔の暮らし)』
・『岩石鉱石(地質学)』

こちらの二つについてお伝えいたします。

懐かしい気持ちに浸れる『民具資料』

地元の方から提供された昔の道具たち
なにやら懐かしいものも……

民具とはいわゆる生活道具のことで、新居浜に住んでいた人たちが実際に使用していたものを、展示しているそうです。
使い方が分からないアンティークなものから、子供の頃見たことあるな……というような、レトロなものまで幅広く置かれていました。
こちらの民具は学校などへ貸し出しされているそうで、子供たちが実際に見て触れて、昔の人の生活を知るきっかけになっているそうです。

石マニアの間で密かに人気。『鉱石・岩石展示』

施設内には様々な鉱物の展示がされており、石に詳しくなくても「なんか凄そう……」というのがわかります。
実はここの展示、石マニアの方が遠方から見に来られるほど、充実しているのだとか。
でも私は石のことはよく知らないし……そう思った方、安心してください。
職員の方が詳しく教えてくれますし、聞けばきっと鉱物への愛着が湧くと思います。

市民の方が作られた、分かりやすい説明パネル

ふるさとラボには『愛媛県の石』がすべて揃っているのだそうです。
県花や県鳥は聞いたことがありますが、県の石もあったとは……!
『県の石』に選ばれるのは、【鉱石】【岩石】【化石】の三種類だそうで、以下簡単ではありますが、それぞれについてご紹介していきます。

・愛媛県の鉱石:輝安鉱きあんこう

実物。これほど大きく美しい結晶が発見されるのは稀なのだとか。

輝安鉱はアンチモナイトとも呼ばれる鉱物で、愛媛県の市之川鉱山いちのかわこうざん(西条市)で産出されていたそう。
とにかく、見た目の存在感が抜群。
直線が折り重なった姿は、他にはないインパクトを与えてくれます。
日本刀のように美しい鉱石として、世界中にファンが多いというのも頷けますよね。

・愛媛県の化石:イノセラムス

貝の化石がしっかり残っています

イノセラムスとは、白亜紀に生きていた二枚貝だそうです。
少しずつ形などを変えながら、長い時代存在していたそうで、イノセラムスの化石を見れば、地層の年代がわかるのだとか。
愛媛県の宇和島にある地層から多く発見されているとのことで、県の化石に選ばれたそうです。

・愛媛県の岩石:エクロジャイト

エクロジャイトは、柘榴ざくろ石とオンファス輝石きせき(草緑色)を主成分とする、変成岩へんせいがんです。変成岩というのは聞きなれないと思いますが、簡単に言うと『もの凄い熱と圧力で変身した石』のこと。
炭素とダイヤモンドが同じ成分だけど見た目が全然別物になっている、あの感じをイメージしていただけたら……なんとなく伝わるでしょうか。

エクロジャイトには左のタイプもあるそうです。

ちなみに柘榴石というのは、宝石好きにはおなじみ、ガーネットのこと。
石の中にある小さな赤い粒たちはガーネットなんですね、綺麗……!
このエクロジャイトは新居浜市の別子でたくさん出るのですが、その辺の河原でも見かけるそうですよ。

出前講座もやっています!

ふるさとラボはそれほど広い施設ではないため、コロナ禍では大勢の人数で訪れることが難しいのが現状です。
そのため今は出前講座に力を入れていて、小学校等に出向いて展示物についてお話されているそうです。

ふるさとラボには紹介しきれなかった面白い展示物が、まだまだあります。
ぜひ一度現地を訪れ、資料の実物と職員さんの面白い話を、体験してみてくださいね。

(取材・写真/箱田千尋)

【取材先】
郷土資料室ふるさとラボ
〒792-0023 愛媛県新居浜市繁本町8-65
新居浜市市民文化センター本館1階内
TEL:0897-34-7099

開館時間 10:00~16:00
休館日 土日祝日・年末年始
入館料 無料
駐車場 市民文化センター駐車場をご利用ください