MAGAZINEプチさんマガ

【RE:TOFU】豆腐再考、豆腐の先にある、最高の豆腐に出会う

2023.03.11

水と大豆とにがり、そして情熱。これらでできるものといえば豆腐。今回は昨年の9月にオープンした「豆柴豆腐」さんのところに行きました。ほんわかしたかわいらしい名前とはうらはらに、ロジカル&ハイスペックで、全てにこだわりつくした未来の豆腐づくりをしています。

隣には由緒あるお水が湧出

店舗が併設した工場は新居浜市若水町にあるつづら淵の隣にあります。つづら淵は不思議な効能がある神聖な水として地域の人に親しまれてきました。「お水取り」という子どもが活躍する伝統行事があって若水という町名の語源にもなっています。愛媛県で唯一、平成の名水百選にも選ばれた由緒あるお水です。

▲つづら淵

豆腐製造装置メーカーが豆腐の未来を考える

そんなつづら淵に突如現れた豆柴豆腐。運営しているのは新居浜市にある株式会社アールという豆腐ととっても縁の深い会社なのです。アールは1970年に設立し、豆腐製造装置の設計・製造・販売を行っています。パック詰め装置を業界で先駆けて開発しました。「瞬間凝固1.2」は、1.2秒の超短時間で豆乳を均一に凝固させることで、天然にがりを使った絹ごし豆腐の製造が容易になる画期的な装置だそうです。アールさんの装置は日本だけでなく、中国や北米、ヨーロッパまで広がっています。

▲店舗併設の工場

そんな業界の最先端を行くアールさんだからこそ、豆腐の将来も考えます。日本国内では、昔は50,000軒あった豆腐屋さんが今は6,000軒と1割強に激減。このままいくと大手メーカーしか生き残れない状況になるかもしれません。昔はまちの小さな豆腐屋に、ザルやボウルを持って買いに行っていたのにそんな光景はもうなかなか見られない・・・。

周りを見渡すとどうでしょう。パン業界は、大手と地元の小さな個人店のすみ分けがきちんとできています。豆腐屋に豆腐を買いに行くという文化を廃れさせたくない。そして豆腐の素晴らしさを再認識してほしいという思いで豆柴豆腐を立ち上げることにしました。

▲店外にある看板
▲店内にも豆柴が

ハイスペックなTOFUFACTORY

あの味、あの形、あの食べ方。皆が知っている豆腐が豆腐の全てでしょうか?いいえ違います、と訴えるのが豆柴豆腐さん。今のライフスタイルに合ったり、さらにライフスタイルを変えてしまったりするような、新しい素敵な豆腐を作れないかと考えました。そこで、作り方から発想を変えます。

「瞬間凝固1.2」だけでなく、新たな製法も生み出します。その名も「ナノミキシング製法」。豆乳とにがりを混ぜるための刃を水平に設置して、超高速回転で切るように混ぜると・・・なんということでしょう、とろけるようなふわふわ食感の豆腐が出来上がったのです!!そもそも撹拌すること自体、豆腐作りの概念にはありません。概念を覆し、全方向で可能性を探る、機械メーカーだからこそ実現できた製法です。

▲店舗からも工場が見えます
▲おしゃれな店内

原料にもこだわります。水はつづら淵の湧き水、にがりは沖縄産の天然にがり、大豆は高級品種のミヤギシロメを使用。製造は、ラボのような衛生管理が行き届いた空間でアールが長年かけて作り上げてきた製造装置が手掛けます。でも、大豆を洗う工程は手作業。丁寧に洗い、ゴミや汚れをきれいに取るのはやっぱり人にしかできません。

新感覚のこだわり豆腐

こだわりの製法と原料でどんな商品ができたのでしょう。ラインナップを見てみます。
まずは基本の木綿豆腐「TSUZURABUCHI」と絹ごし豆腐「WAKAMIZU」。大豆とにがりの理想的なバランスの木綿、つややかな喉ごしの絹ごしに仕上がっています。

▲TSUZURABUCHI
▲WAKAMIZU

そして、とろけるなめらか食感の「MELTY TOFU」。それはまるでプリンのよう。ナノミキシング製法が可能にしたありそうでなかった幸せな新感覚の豆腐です。醤油はもちろん、チョコレート、キャラメル、黒みつとの相性も抜群!!

▲MELTY TOFU
▲イートインもできるように準備中

さらに、高タンパク・低カロリーは健康・美容の味方。優れた栄養価を手軽に摂取できるパウチタイプの「TOFU SUPPLIシリーズ」はエステやフィットネスで大活躍すること請け合いです。もちろん、普段食べても間違いなし。

▲TOFU CHARGE
▲TONYU Rich

大切な人に食べさせたい

言い忘れていましたが、保存料や甘味料、安定剤など化学的な原料は使用していません。なので赤ちゃんや、病気療養中の人にも安心して食べてもらえます。特に、赤ちゃんが初めて食べる食事としてママに人気です。

▲赤ちゃんもママもうれしい豆腐

2月には新大豆を使ったその時期にしか味わえない新鮮な風味の「ZEPPIN」を限定で販売しました。ホワイトデーフェアを行ったり、ビーガン(動物由来の食べ物を食べない人)向け商品を企画したり、これまでにない発想でどんどん新商品を企画するそうです。新しいけど本物の味。豆柴豆腐に行って「もう一度、豆腐に出会おう」。

(取材・撮影/さんマガ編集部)

【取材先】
「豆柴豆腐」
〒792-0017
愛媛県新居浜市若水町2-5-17
TEL 0897-35-0048
工場併設店舗の営業時間 10:00~15:00
定休日 日曜
https://mameshibatofu.com/
Instagram @mameshiba_tofu