MAGAZINEプチさんマガ

紙について学べ、紙の魅力を発信し続ける
『紙のまち資料館』にお邪魔しました!

2022.12.31

紙のまちと呼ばれる四国中央市。
愛媛県にお住まいの方はもちろん県外にお住まいの方も、紙=四国中央市のイメージが強いのではないでしょうか。

昨今ペーパーレスが普及してきていますが、今なお、紙は私達の生活に欠かせないものである事は間違いないでしょう。

そんな紙についてもっと深く知るため、また紙の製造に少しでも興味を持ってもらうために、
今回は川之江町にある『紙のまち資料館』に行ってきました。

紙のまち資料館とは

四国中央市の川之江町にある施設で、
紙の歴史・製造過程・素材の種類に関する展示や、手漉きで和紙づくりの体験も行っている資料館です。

なぜ紙のまちと呼ばれているの?

四国中央市がなぜ紙のまちかというと、
現在紙製品の製造品出荷額が全国の市町村で1位であり、
日本だけでなく、世界の企業に匹敵する製紙会社が複数あるからです。

また、毎年7月または8月に、書道パフォーマンス甲子園が開催されています。
(2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的流行により中止)

その年の書道パフォーマンス甲子園にて書かれた作品が、
四国中央市の各地で展示されているのも、紙のまちならではでしょう。

▲作品は各所を巡回するため、現在の展示物とは異なる場合があります。

館内について

【1階:第一展示室】

第一展示室には、製紙会社の代表製品や伝統工芸品水引細工の展示、そして販売コーナーがあります。

普段から知っている紙製品を手にとってみると「この会社が製造しているのかー」「こんな製品があるのかー」と、色々な発見があります。

さらに販売コーナーでは、ご祝儀袋や付箋、工芸品や、書道半紙、
和紙で作られた箸置き・靴下などを販売していました。

【1階:第二展示室】

第二展示室では紙製品の製造過程や、原料類の展示と紹介、
販売コーナーで販売されている商品のサンプルを展示しており、実際に触って確かめる事ができました。

初見で買うより、実物に実際に触れることができるため、購入しやすくなってます。

▲中央の円部分にサンプルが置かれてます。

【吹き抜け】

書道パフォーマンス作品が見下ろせる2階の吹き抜け部分には、
世界各地の紙製品の展示ならびに、四国中央市の紙産業発展に携わった人物の紹介コーナーが設けられていました。

【2階:第三展示室】

第三展示室では、紙原料になる木のチップや融解過程の原料を展示。

私は知らなかったのですが、戦時中は風船爆弾(気球爆弾)として、
風船部分を紙で製造していたそうです。

当時紙の製造は制限がかかっており、製造工場の存続も危うくなっていましたが、四国中央市内の製紙工場で風船部分を製造することによって、原料調達が可能になったと記載がありました。

【2階:特別展示室】

特別展示室では、四国中央市内の伝統工芸士によって作られた水引細工を展示。
1枚の紙で、複数体の鶴を制作している折り紙の展示などがされていました。
また、太鼓台の模型を製造した作品の、展示もされていました。

【2階:手漉き体験教室】

週に複数回、手漉きにて和紙を作る体験会を行っているそうです。
取材日は小学生を対象にした体験会を、午前・午後で行っていましたが、私自身は体験できなかったので、次の機会に体験会に参加したいと思います。

【3階:企画展示室】

企画展示室では1ヶ月~2ヶ月のペースで、四国中央市に縁がある方などの美術品展示を行っています。

私が取材した日は「画家加地守と家族の作品展」が行われていました。

加地守さんは四国中央市出身で、現在は広島県在住の画家です。
ご本人の作品はもちろんのこと、ご家族の方の作品まで展示されているのが興味深かったです。

特に個人的に引き込まれたのが、加地守さんが大きなキャンパスに描いた女性の肖像画です。

複数枚展示されていた肖像画は背景が同じであるものの、季節によって着用服が違っていて、その世界観が凄く魅力的でした。

それぞれが素晴らしい絵で、良きタイミングで取材に行けました。

最後に

生活に欠かせない紙製品の製造を行っている、愛媛が誇る紙のまち四国中央市。

紙の歴史・製造方法・紙製造の発展を知ることができた取材になりました。
ぜひ、紙のまち資料館で、紙の素晴らしさを体験してください。

(取材・撮影 高橋徹)
※館内の撮影は通常禁止されております。
 今回は特別に許可を頂き、一部抜粋して撮影しております。

【取材先】
紙のまち資料館
〒799-0101
愛媛県四国中央市川之江町4069-1
TEL:0896-28-6257

入館料:無料 
営業時間:9:00〜16:00
休館日:毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始(12月29日〜1月3日)
    ゴールデンウィークなどの大型連休は変則休館になる可能性があります。

手漉き体験:火・木・土・日曜 13:00〜16:00(最終受付15:30)
体験料:有料(詳細はお問い合わせください。)

その他休館情報はHPにて、休館日のお知らせをご覧ください。