MAGAZINEプチさんマガ
鉄道歴史パークin SAIJOの楽しみ方~お掃除体験偏~
前回の記事で、西条鉄道歴史パークではさまざまなイベントがあることをお伝えしました。
今回は毎月開催されている『展示車両お掃除イベント』について、お話したいと思います。
展示車両お掃除イベントって?
施設に展示されている『C57型蒸気機関車』、『0系新幹線』、『DF50形ディーゼル機関車』についての勉強会及び、お手入れを体験するイベントです。
毎月一回程度、車両を変えて行われているそう。
私が参加したときは『C57型蒸気機関車44号機』が対象になっていました。
具体的にどんなことをするの?
①まずは車体について勉強!
イベント参加者は毎回、お掃除する車体について様々なことを教えてもらいます。
今回は館長さんが、『C57型蒸気機関車』についての歴史や車体の特徴、雑学など、広範囲に渡って教えてくださいました。
館長の加藤さんは元々JRの運転士だったそうで、知識や経験に基づいたお話が面白く、参加していたお子さんも楽しそうに聞いていました。
例えば、
・C57型のCは動輪(厳密には車軸)の数を示していること。
・展示中のSLを実際に走らせようと思うと検査だけで2億円以上はかかること。
・この車体は日本で走っていた最後の5台のうちの1台であること。
・C57はスピード重視の車体であるため客車を引いていた。
などなど。
私自身も知らなかったことが多く、参加者を押しのけてあれこれ質問したくなるのをぐっとこらえ(笑)
今まで見ているだけだった車体が持つ歴史や物語を知るにつれ、自然と愛着が湧いてきます。
車体の各部位を確認しながら、蒸気機関車がどうやって動くのかも、教えてもらいましたよ。
②普段は入れない&触れないところが見られる!
ひと通り勉強が終わると、館長さんが『顔』の部分へ……
どうするんだろうと思ってみていると、顔の中央にあるハンドルのようなものを回し始めます。
そして……扉のように開いたのです!
じつは顔の奥には煙室があり、そこに溜まった石炭のカスを取り除いたりするために、顔の部分から入れるようになっているのだそう。
あのハンドルはそのために付いていたのか……。
その後は運転席へ。機関士と機関助手がどういうことをしていたのかを学び、実際にブレーキなどのレバーを触らせてもらえます。
当時のSL機関士たちは命がけで、トンネルの中で煙で窒息してしまうこともあるほど過酷だったそうです。
③いよいよお掃除!
『C57型蒸気機関車』のお掃除は、主に動輪周りの手入れを行います。
といっても水で洗うのではなく、錆びないようオイルを塗りこみながら埃をぬぐうお掃除方法なのだそうです。
間近で近づいてみてよくわかるのが、動輪の大きさ。
自分たちの背丈ほどもある大きな車輪を眺めながら、実際に動いていた頃に思いを馳せます。
蒸気機関車に使われている部品には、その機関車の型番が刻印されているそうで、そういった豆知識もイベント参加ならではだなと感じました。
お掃除後はより”シゴナナ”が身近に感じられました。
他の車両のお掃除イベントも、電車好きの息子が大きくなったら参加してみようと思っています。(参加できるのは小学生から)
展示車両に愛着が湧くお掃除イベント、皆さんもぜひ一度参加してみてくださいね。
(取材・撮影/箱田千尋)
【取材先】
鉄道歴史パークin SAIJO
〒793-0030
愛媛県西条市大町798番地1
TEL:0897-47-3855
開館時間:午前9時~午後5時 (最終入館:午後4時30分) 休館日:水曜日
※水曜日が祝祭日の場合は
翌日休館