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新居浜発、「光と音楽の朗読劇」を観劇してきました!

2022.12.25

2022年9月にあかがねミュージアムで開催された、「灯音舎 光と音の朗読劇 『セロ弾きのゴーシュ』」を観劇してきました。

新居浜に、プロとして活動している劇団があることをご存知でしょうか?
舞台技術者として音響・照明業務に従事されている浜田竜輝さんが2021年に立ち上げた、「灯音舎」です。

舞台照明を使った「あかり」が主役のお芝居を軸に上演されているそうです。

どんな思いで立ち上げようと思ったのか、まずは代表の浜田さんに、お話を伺いました。

「新型コロナウイルスの流行。受注していた仕事がほとんど無くなり、舞台に関わる技術者は経済的にも精神的にも多大なる影響を受けました。様々な業務を見直した中で思いついたのが、自分で演劇を創るということでした。これまでも演劇に関わること自体はありましたが、舞台の裏方として業務を受注することが全てでした。
簡易的な舞台セットと演奏者と朗読者がいるだけ。そして、舞台照明や特殊効果によって見た人それぞれの物語を創造する。そして、本来舞台やキャストを際立たせるための舞台演出、それそのもので見る人を魅了できれば、どんなに素晴らしいだろうと思いました。」

▲第一回公演は、新型コロナウイルス感染症拡大によりYouTubeでの動画配信公演での公演。光と音楽の朗読劇『白雪姫』https://youtu.be/1BJULCbnhOE

客席に座りステージを見ると、古ぼけた木の椅子がポツンと置いてあるだけでしたが、その周りを照明がキラキラと彩っていて、美しい。

セロ弾きのゴーシュの原作をベースにした、灯音舎オリジナル台本。

どんな舞台が始まるのだろうと、期待に胸が膨らみます。

しばらく観ていると、舞台照明と生演奏と朗読とパントマイムによってのみの構成だということに気が付きます。

1人が全て朗読し、1人で演じているとは思えないパントマイムやダンスと融合していくことで、どのキャラクターもステージの上で生き生きとしている・・・。

そしてもっと驚いたことが、舞台の下手(舞台向かって左)を見ると、歌とギターを演奏している人が、照明も操作しており、その照明が華やかな印象を与えています。

舞台には、まだまだこんな表現方法があったのかと驚きました。

▲大胆な照明の下でダイナミックに動く俳優。

観劇後は、バックステージツアーも開催。

照明の機材を実際に間近(まぢか)で見たり、どんな想いで照明を考えたかもじっくりと聞くことができました。

いつもは主役にはならない照明について知ってもらおう、舞台をもっと楽しんでもらおうという工夫が随所に感じられました。

また、普段観客としては入っていけない楽屋部分も案内してもらえ、これまであかがねミュージアムに出演したアーティストの皆さんのサインも見ることができました。

そして、最後は椅子に座って撮影会。

大満足のバックステージツアーでした。

バックステージツアーの中で、「舞台の裏方というものはこんなにも素晴らしい、夢のある仕事なのだと示していきたい。」と仰っておられたのが印象的でした。

(取材/富永雅美)(舞台写真提供/新居浜ジャンドール)