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歌うお菓子屋「うるう」さん。こだわりと温かさに溢れたお店でした。

2022.11.10

新居浜市の喜光地商店街にある、手づくりお菓子屋「うるう」さん。
土日のみの営業にも関わらず、SNSや口コミからその評判が広がり、早い時間に完売してしまうほどの人気です。
ちまたでは『歌うお菓子屋さん』とも呼ばれており、その由来やお店のこだわりなど、オーナーにお話を聞いてきました。

『歌うお菓子屋さん』って?

店主の方はもともと音楽活動をされていたそうで、コロナ禍で活動ができなくなったのをきっかけにティックトックでの活動を始めたのだとか。
最初は歌う動画を中心に挙げていたのですが、あるときお菓子作りの動画を載せたところ「もっと見たい」とリクエストをいただき、お菓子作りの動画をたくさん作るようになったそうです。
フォロワーが増え(現在2万8千人!)、お菓子動画の人気が高まるなかで、販売を考えるようになったそう。
「元々物づくりが好きでしたし、カフェをやってみたいという気持ちもあったんです」
つまり、『音楽家×お菓子屋さん』という異色の組み合わせが「歌うお菓子屋さん」の由来というわけなのです。

古きよきものと、美味しいものにあふれた店内

喜光地商店街といえば、新居浜市で歴史のある商店街のひとつ。
昔ながらのお店が並ぶ一角に、うるうさんは立っています。

奥にはスタッフセレクトの絵本や本が。

素朴で温かみのある店内には、オーナーが集めた古道具が居心地よさそうにおさまっています。 
「カウンター以外の家具はほぼ古道具なんです」
よくよく見ると、小さなお皿や小物入れまで古道具になっていて、そのこだわりに心がギュッと掴まれてしまいました。

ショーケースも古道具。可愛い!

材料へのこだわり

うるうさんのお菓子はすべて国産のものを使用しているそうです。
「卵は新居浜市内の鶏卵農家さんのものを使っています。味が濃くて美味しいんですよ」
また、上白糖を使わず、甜菜・きび糖・マスコバド糖の三種類の砂糖をお菓子によって使い分けているそう。
それぞれの砂糖の特徴を伺ってみたところ、

・甜菜糖……甘さ控えめ
・きび糖……まろやか
・マスコバド糖……香ばしい。独特の食感がある

とのこと。
マスコバド糖は聞いたことが無かったのですが、とても美味しくてお勧めだそうで、私も買ってみようと思っています。

うるうさんの看板商品は「シフォンケーキ」だそうで、季節によって入れるものを変えるなど、色々な味が楽しめるそう。

(私が行ったときには残り2個に…!)

ティックトックではシフォンケーキを実際に作る動画が見られます。
食べてみると見た目以上にふわふわ&しっとりで、ちょっと感動してしまいました。

人気のカヌレ。何度も試作して焼き加減を調整したそうで、絶妙の食感でした。

他にもスコーンやショートブレッド、クッキーやプリンなど盛りだくさん。
今の季節のお勧めは、栗のプリンやスイートポテトだそうです。
スイートポテトに使っているサツマイモは、オーナーのおばあ様の畑で採れたものを使っているそうですよ。

店主の方が書かれた絵のポストカードも。可愛い!

私が行った時間には、多くのお菓子が売れてしまっていました。
お目当てのお菓子を買うためには、午前中に行かれるのがお勧めです。

地元で開いたお菓子屋さん

うるうさんが立つのは、昔ながらの店が立ち並ぶ『喜光地商店街』。
この場所を選んだ理由を尋ねてみると、お菓子屋と音楽を両方できるテナントを探す中で、近所の商店街でたまたまテナント募集の甲板を見かけたのがきっかけだったとか。
「家主さんが昔通っていた幼稚園の園長さんで、自分のことも覚えていてくださって。とんとん拍子に話が進みました」
こういうのって縁だな、と思わせてくれるエピソードでした。

レトロな雰囲気が残る商店街。左に見えるのがうるうさん

営業日を土日に絞っているのは、平日は通販で販売しているからだそう。
ティックトックのフォロワーさんは県外の方も多いので、通販なら食べてもらえると考えたそうです。

お店をはじめてよかったことを伺うと、
「自分の作ったものでお客さんが喜んでくれるのを直に見られるのが嬉しいです。コロナで沈んでいたろころに、新しいことを始められて励みにもなりました」
とのこと。
にこにこと話される姿は、とても生き生きしていらっしゃいました。
今後はいつかカフェもやりたいと考えているそうです。

定期的に音楽イベントを開催

うるうさんでは、時々店内で音楽イベントを開催されているそうです。
まさに「歌うお菓子屋さん」!
今年の12月にも予定されているそうで、詳細は今後SNSで発信されると伺いました。
気になる方は、うるうさんのSNSを定期的にチェックなさってみてください。

さりげなく置かれているギターに、音楽への愛を感じました。

美味しいお菓子、素敵な音楽、古きよきもの。
そしてオーナーの素敵なお人柄に、癒されたひとときでした。

(取材・撮影/箱田千尋)

【取材先】
うるう
〒792-0826
愛媛県新居浜市喜光地町2-6-8
TEL:080-3166-0307
営業時間:午前10時~売り切れ次第閉店 (店舗営業日は土日のみ)
ネット販売サイト
https://kyounouruu.base.shop/
(各SNSへのリンクは上記サイト内に記載されています)