MAGAZINEプチさんマガ
まちの「を」っとステーション!?
人が集まるおしゃれなアイス屋&コインランドリー
「を」ってなんて読みますか?①「O(オ)」、②「Wo(ウォ)」。
・・・とうぜん②でしょ!という方は心も体も愛媛県民です。標準語は①で、実は国が示す現代仮名遣いのルールでも「オ」と発音するように定められているそうです。が、生まれも育ちも愛媛な私わ納得いきませぬぅ~~~!!
今回はそんな議論を忘れるくらい美味しいアイスクリーム屋さんに行ってみました。
「ヨシオ」?? いいえ、「ヨシヲ」です!!
今年の6月にオープンした「ヨシヲアイスクリーム」。四国中央市の三島地区にあります。コインランドリーが横に並ぶ珍しい組み合わせです。25年前にオープンしたコインランドリーの改装に合わせて誕生しました。
でも、なんでアイス?
それは店主の奈緒美さんのおじいさんが商売をしていた頃までさかのぼります。
▲おじいさん ▲おじいさんの横顔をお店のロゴに
おじいさんは昭和44年から「天津堂」という屋号で、むかしなつかしアイスクリンを販売していました。夏にはアルバイトをたくさん雇い、パラソルを立てて国道11号のいたるところで露店販売もしていたそうです。お父さんの代になると、イベント出店がメインに。運動会やお祭りの時に皆さんが食べたあのアイスクリンは奈緒美さんのところのかもしれませんね。お父さんが他界してしまい、天津堂の営業は終わってしまいました・・・。
そんな地域の人に愛されていたアイスと、おじいさんからのストーリーを途絶えさせたくないという思いがずっとあり、復活をさせました。
家族みんなで楽しめるアイスクリーム
▲おしゃれな店内 ▲奈緒美さん(左)と弟の浩志さん
「瀬戸内クラフトアイスクリーム」がテーマで、愛媛をはじめ瀬戸内の豊かな食材を使用しています。牛乳や卵はもちろん、フルーツや黒糖など手に入るものは地元産にこだわります。そこにカルダモンやベルガモットといったハーブ、ブラックペッパーなどのスパイスを加え、他にはないユニークなアイスクリームを作り上げます。お店もおしゃれならアイスもおしゃれです!
店頭には8種類のアイスクリームが並んでいます。同じ種類の果物でも仕入れる時期によって味が違いますよね。早生みかんと普通のみかん、青レモンと普通のレモンとか。その味によってレシピも変えているそうです。定番もありますが、商品は次々と入れ替わります。「来るたびに新しい発見をしてほしい」という奈緒美さんの願いも込められています。
家族でお出掛け。①子どものため?②親のため?
「親子どちらも楽しめるのが一番」というのが奈緒美さんの考え。エッヂが効いていて大人が楽しめるだけでなく、子どもも安心して食べられるよう、香料・着色料・保存料は無添加。家族みんなで食べ続けたくなるアイスクリームを目指しているそうです。
アレルギーを持つ子どものために、卵と牛乳を使っていないフルーツソルベも用意。そして、夏限定でアイスクリンも復活させました。メレンゲを使い粘り気を出し、和三盆を使い香ばしくリッチな仕上がりに。おじいさんのレシピをベースに奈緒美さんらしいアレンジを加えた懐かしいけど新しいアイスクリンが出来上がりました。お客さんからは懐かしいという声もあり大好評だったそうです。
日常を豊かにする地域のコミュニティの場
アイスクリーム屋を始める前に奈緒美さんはイタリアに行き有名なジェラート職人のもとで修業をしたそうです(何という行動力!!)。アメリカにも住んでいたこともあり、それらの経験をもとに改装するときにお店の在り方を考え直したそうです。
▲コインランドリーの店内 ▲作業台は実は卓球台なのです
ずばり目指すのは「公民館」。地域の人がより豊かに暮らすための場所、用事はないけど行ってみてお友達と話をしたりする場所、お店をそうした場所にしたいと思いお店作りを始めました。
▲買い物袋にも使いたい洗濯バッグ ▲ヨシヲバッグもかわいい
コインランドリーにアイスクリーム屋を併設したのも洗濯という日常ど真ん中のイベントを楽しくしたいから。「ランドリーホリデー」という名前に変更したのもそう。かわいいロゴや洗濯バッグも楽しさの演出のため。
これまでは洗濯の間、車の中で待つ人が多かったそうですが、お店がリニューアルしてからはベンチに座り本を読みながら待つ人が増加。もちろん、アイスを食べ幸せなひと時を過ごす人もいるとのことです。
素敵なイベントもやっています。9月29日にワインとアイスを楽しむイベントが初開催されました。まなべ商店さんやユトさんも出店して、秋の夜長を楽しめる素敵な時間になったそうです。アイスもワインに合う特別バージョンでお出迎え。普段は車で来るお客さんがこの日ばかりは歩いて来るのを見て、奈緒美さんはほっこりとした気持ちになったそうです。
楽しい場所だから行ってみたい。そういう人たちが増え、お店は地域のコミュニティの場所になりつつあります。
「オ」なの?「ヲ」なの?
あっ、そうそう、店名はおじいさんの名前から。「オ」か「ヲ」かは、お店に行って直接聞いてみてくださいね。
(取材・撮影/さんマガ編集部)
【取材先】
「ヨシヲアイスクリーム」&「ランドリーホリデー」
〒799-0422
愛媛県四国中央市中之庄町574-1
TEL:080-7581-9870
営業日&時間:ヨシヲ=金・土・日の11:00~17:00、ホリデー=24時間365日