MAGAZINEプチさんマガ

なにかしないと!の思いでつなげてきた道「別子飴本舗」

2023.02.24
▲昔ながらの銅釜で水飴を炊き上げる製法は、創業以来変わっていない。

2019年のえひめさんさん物語「アーティスト in ファクトリー」で話題となった、別子飴本舗。
あれから4年、どのような変化があったのか、別子飴本舗の社長 越智秀司さんにお話を聞いてきました。

えひめさんさん物語「アーティスト in ファクトリー」

2019年5月に開催された、えひめさんさん物語では、株式会社別子飴本舗×松岡美江(美術家)によるアーティストinファクトリーが行われました。
当日は、銅釜で水飴を炊き上げた別子飴の包装紙をつかった作品を見に、沢山の方が訪れたそうです。
このイベントはとてもインパクトがあったようで、親子連れがたくさん来てくれたとのこと。
当時越智さんは開催に向けて、「なにかしないと!」と従業員と話し合い、店内で別子飴のつかみ取りを行ったり、工場見学を行ったりしたそうです。
その甲斐あって、その後も、若い層がたくさんお店を訪れてくれるようになったのだとか。
このイベントの影響で、若い層への認知度が上がったと考えているそうです。

▲愛媛県の里芋「伊予美人」をつかった甘くないかりんとう「ポリポーリ」

しかし、すぐに新型コロナウイルスのまん延が・・・

別子飴本舗では当時、道の駅やサービスエリアに商品をおろしていたのですが、人が動かなくなり、人の行き来がなくなったことでほとんどなくなりました。
しかも、ちょうど「ポリポーリ」のもんじゃ焼き味で東京に打って出ようとしていた頃で、そのために揃えた業務用フライヤーの使い道がなくなってしまったそうです。
その時、従業員たちと「なんかしないと!」と話し合った結果、生まれたのがカレーパンでした。

コロッケ、かき揚げなどのアイデアも出たのですが、工場長が元パン職人だったことから、「『別子飴本舗手打うどん長兵衛』で使用しているカレーを使って、カレーパンを作らせてほしい」と言われ、やってみようということになったそうです。
米油と地元の素材を使った自信作!

カレーパングランプリの「金賞」も受賞した、別子飴本舗の激うまカレーパン誕生秘話はこちらでお読みください。↓
https://ehimesansan-next.com/petitsanmaga/besshiame

2020年4月には、ドライブスルーも始め、とにかく、「なにかしないと!」という思いで動き続けたそうです。

▲カレーパングランプリ2021、2022で金賞を受賞した「カリットカリー」

カレーパンはコロナを生き抜いた証

2022年東京に打って出ようということになり、急速冷凍できる機械を購入しました。今でこそ高級な冷凍食品もありますが、当時は思い切った決断だったそうです。
現在は、日本武道館の売店で販売されているほか、伊勢丹などに「冷凍カレーパン」も置いてあるとのこと。
お家で手軽に食べられるので、関東近郊の方はぜひ食べてみてほしいです。
ちなみに、2022年度カレーパングランプリでは、「カリットカリー 瀬戸内レモン香るチーズ」が金賞を受賞。
2022年の暮れには、新型コロナウイルスの流行で頓挫していた、「ポリポーリ もんじゃ焼き味」が東京駅で発売されることになりました。


今はとにかくクレームの無いように、丁寧に丁寧に仕事をしていくことが大切だと、仰られていました。

▲熱意があるお話をしてくださった越智社長。

感謝を忘れない

ぴたりと止まった時、もちろん考えることも重要だけど、とにかく「なにかしないと!」と動き続けたことで今がある。
コロナ前から商談会に出ていて、繋がりができていたこと。
忙しくなったいまでもOEM(メーカーが自社ではないブランドの製品を製造)を続けていること。
とにかく従業員を休ませずに済むよう、話し合い、結束力を高め、皆で動き続け、お金を動かし続けたことが、今につながっているのだと。
いろんな人への感謝しかない、とまっすぐな目で仰っていたのがとても印象的でした。

【別子飴本舗】
所在地:〒792-0886愛媛県新居浜市郷2丁目6-5
TEL/FAX:0897-45-1080 / 0897-45-0040
営業時間:9:00〜17:00