MAGAZINEプチさんマガ

2500枚以上の棚田が広がってた西条市千町(せんじょう)。新しい視点での魅力発信スタート!

2021.11.22


▲愛媛大学1回生 川上和月さん

チーム愛大、ニューフェイスの川上です

皆さん、初めまして。愛媛大学1回生、川上和月(なつき)です。
取材に行って、記事を書くことは初めてです。
私なりに読者の皆さんに東予東部地方の魅力を伝えていきたいと思います。


ちなみに私は愛媛県新居浜市出身。
これまではあまり地元新居浜について関心がありませんでした。
しかし、大学生になった今、地元に何か貢献できることがしたいと考え、「プチさんマガライター」に参加。


今回はチャレンジプログラム「シネックス映画館 復活プロジェクト」の主催者・伊藤俊一さん(新居浜ジャンドール代表)が関わる、西条市千町の棚田でのワークショップ「棚田の石積み&お散歩(9月26日(日)開催)」に参加しました。
(チャレンジプログラム「シネックス映画館 復活プロジェクト」は私が高校生のときに開催。参加したかったです)

千町の棚田の始まりは戦国時代。江戸時代には2500枚に

▲梅屋さんと山内さん説明中

伊藤さんは千町で生まれ、22歳まで暮らしてました。その家(実家、改修中)でワークショップが始まりました。
千町で活動してる団体の1つ「千町2500」。2020年末に立ち上がった任意団体で、伊藤さんもメンバーの1人。今回は代表を務める梅屋サムさんと山内隆彦さんから、千町の成り立ちについて教えていただきました。


棚田の始まりは、1585(天正13)年。
天正の陣において羽柴秀吉の命を受けた小早川隆景は、四国の長宗我部元親と戦うため四国に上陸。形勢不利になった元親は、伊藤近江守裕晴に命を出しました。
西条の高峠城への援軍として向かい、土佐街道を守り、城主の石川虎竹を安全に土佐へ逃げ帰らせと。裕晴は命がけで虎竹を土佐に逃がし、その後裕晴たちの子孫が千町に残り、土地に住み着いた人々が急傾斜地に棚田を積み上げたそうです。江戸時代には棚田の数は2500枚ほどになり、昭和まで耕作は続きました。


ここの棚田の石垣は、ぐるりと石垣で囲われています。一つ一つ山を削り、石を掘り起こし、石を砕き、石垣を積み棚田を1枚1枚作り上げるなんて考えられないです……。

千町をぐるっとまわります

▲高智神社 獅子舞でガブリ


棚田の歴史がわかった後は千町を散策しました。
1つ目は、ワークショップの会場近くにあり、古くから地元に愛されている高智神社です。メンバー不足で途絶えていた獅子舞も2021年春に復活。伊藤さんも担い手の1人です。実際に獅子舞の獅子を間近で見せてもらうと、迫力があり、とても神秘的でした。

▲千町小学校 二宮金次郎と記念撮影

2つ目の散策ポイントは、廃校になった千町小学校跡。少し高台にあるため、ここへは車で移動しました。
現在、農地として活用されている小学校跡地の一角に、小学校ではおなじみの二宮金次郎を発見。そして二宮金次郎が持っている本にはきちんと文字が書かれているんです! とても面白い。

▲千町を一望

小学校から降りる途中に、千町を一望できる場所で停まりました。そこは、棚田を一望でき、壮大な景色が広がっていました。この景色は、他では見ることのできない絶景でした。

同じくチーム愛大、ニューフェイスの清水です

▲愛媛大学1回生 清水愛理さん


皆さん、初めまして。愛媛大学1回生、清水愛理(あいり)と申します。香川県東かがわ市の引田で育った、ゾンビと乃木坂46を愛する身長147センチの人です。


今回は「プチさんマガライター」の活動を初めて行いました。愛媛については知らないことだらけです。
あふれる愛媛の魅力をたくさんの人に届けられるように、そして自分自身も愛媛のことについて学んでいけるようにこれから頑張っていきたいです。また、たくさんの人ともお会いしてお話を聞いていきたいと思っています。

午後からは石積み体験。さて、できるのか!?

▲石積みレクチャー


今回体験したのは、崩れた棚田の修理です。山内さんから根石・積み石・ぐり石など構造説明を聞き、現場へ。

▲現場で石積み

大きく崩れた場所の石積みも大部分が修理され、今回は上部のみ。石積みは実際近くに寄ってみると予想以上に高く、はしごを使って石積みに取り掛かります。

近くでとれた石を持ってきてもらい、石と石をパズルゲームのように組み合わせていきます。石を運ぶ様子は、バケツリレーならぬ石リレーそのもの。石と石をパズルのように合わせていくといっても、自然のものであるため形も大きさも全く違うので頭を使いながら積んでいきました。

▲石を割る川上さん

そして、完成!
皆で力を合わせて修理した棚田を見ると、石と石が調和して美しく並んでいました。
修理するのは、時間・体力・人員が必要だということを体験を通して実感しました。ですが、この美しい棚田を見て、2500枚もの棚田をどう保護し伝え続けていくのか、考えなければいけないと思いました。(川上さんは石を割ることも体験しました)

私たちにできることを、継続的にやっていきます

「私はこのように取材の機会に出会う前は学生にできることなんて限られたことしかなくて、あまり力になれないことが多いのだとばかり思っていました。しかし、今回千町の棚田に携わり、自分たちにもできることはたくさんあるのだと実感しました。むしろ学生にしかできないことなども発見することができ、貴重な経験になりました」(川上)


「伊藤さんがおっしゃっていた、興味を持ってもらって来てもらって発信していくというのは機会・きっかけがないとできないと思います。今回私たちは伊藤さんから機会をいただき貴重な体験ができました。今度は私たちが、よりたくさんの人に千町という地の魅力を知らせるきっかけ作りができればいいなと思っています」(清水)


取材後、10月16日(日)のワークショップ(ひまわりの種収穫)、11月20日(土)のワークショップ(ミーティング)にも参加しました。
今後も月1回程度参加します。千町2500の今後については、インスタグラム
( @senjo2500_ehimesaijo )で発信されます。


また、新居浜ジャンドールでは、屋外上映会を企画。12月予定を早めて、11月23日(火・祝)開催。詳細は、新居浜ジャンドール(伊藤) TEL0897-32-3567
(関連記事:「新居浜登道南商店街で復活! 映画館シネックスのこれから。」)

(取材・文:チーム愛大 川上和月、清水愛理)

【今回の取材先】
「千町2500」
お問い合わせ:千町2500(梅屋) TEL090-7778-7508