法皇山脈魅力発信プロジェクト

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四国中央の山旅 ものづくりと歴史文化に触れる旅

ここ四国中央は、愛媛と香川、高知が交わる町。そして土居、伊予三島、川之江の様々な歴史文化が重なる町。豊受山、鋸山、翠波峰に登ったら、日本一の「紙のまち」四国中央を訪ねましょう。さあ、歴史ある紙産業と四国中央の文化を訪ねる旅に出発です。

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山旅をはじめるまえに-博物館に行こう!-

1st Day

07:00......翠波峰がもたらす豊かな水に耳をすます

法皇山脈と銅山川がもたらす豊かな水

吹き出し法皇山脈と銅山川がもたらす豊かな水吹き出し

水波神社は水の神が祀られ、干ばつに見舞われる宇摩地方の人々が古くから雨乞いを奉納してきました。毎年夏には、地元の製紙会社の人々が製紙業を支える水に感謝し、例大祭を執り行います。本殿の後ろから見える豊かな水を蓄えた金砂湖は絶景です。

旅のメモ

旅のはじまりは、「法皇トンネル」から。法皇山脈を南北につらぬき、三島と嶺南を結びます。全長1600mを越えるトンネルは、昭和35年の開通当時は全国第4位の長さでした。トンネルの脇には「水ヶ滝」があります。落差40mの勇壮な滝から、落水が幾筋にも分かれ飛散する様子はとても神秘的です。翠波高原は標高892mの翠波峰を中心とした高原で、かつては牧場でした(牧場跡地の碑)。夏から初秋はコスモスの花々で有名です。翠波高原を過ぎ、法皇スカイラインを進むと水波神社があります。水ヶ滝や水波神社は、翠波峰がたくわえる豊かな水々を私たちに伝えています。

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08:00......豊受山の登山道は豊受神社にむかう信仰の道

八畳岩からの絶景

吹き出し八畳岩からの絶景吹き出し

標高1247mの豊受山は法皇山脈の一つに数えられます。豊受山は「おといこさん」と呼ばれ、豊受神社を祀る信仰の山。四国中央では、この山に雪が積もれば冬の訪れ、雪が消えれば春の知らせ。山麓一帯を襲うやまじ風を豊受神社の祈りが鎮めます。

旅のメモ

翠波高原でトイレ休憩を済ませ登山の支度を整えたら、豊受山登山口(豊受神社参道入口)まで車で移動し、登山口から豊受山と鋸山を目指して登りましょう。豊受山の登山道は豊受神社の参拝道です。木につるされた獣除けの鳴り物をたたいて進みます。豊受山の中腹には鳥居があり、ここから先は神域です。前神様が祀られています。さらに頂上を目指すと、豊受神社があります。社殿は伊勢神宮の式年遷宮に合わせて麓の集落が交代で建て替えています。社殿の横には風穴があり、春と秋の大祭では、やまじ風を鎮め、五穀豊穣を願って団子を風穴に投げ入れる神事が行われています。社殿の横を登り、尾根づたいに歩くと標高1247mの山頂に辿り着きます。そこからさらに奥に進むと八畳岩が見えてきます。八畳岩からは登ってきた山々と、遠くには四国中央市や新居浜市の町々が見えます。

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12:00......鋸山の大岩から眺める法皇山脈の美しさ!

日本の製紙を支える四国中央市の町々とエントツ

吹き出し日本の製紙を支える四国中央市の町々とエントツ吹き出し

翠波峰の峰づたいにつづく標高1017mの鋸山。大岩から眺める法皇山脈と四国中央は絶景!感動です。鋸山の登山道は、桃色のテープが目印。カタクリの群生地や登山道は地元の方々が保全してくれています。

旅のメモ

豊受山から稜線にそって歩くと、標高1017mの鋸山に辿り着きます。頂上からさらに進むと大きな一枚岩があります。そこから西側には赤星山、豊受山、七々木山が、眼前には四国中央市の町々と瀬戸内海を見渡すことができる大パノラマが広がっています。鋸山は薄紫色の花を咲かせるカタクリの群生地として有名です。このカタクリを大切に守るために、地元の方が群生地をロープで囲っています。これからも美しいカタクリが咲き続けるよう、ロープの外から楽しみましょう。鋸山(鋸山登山口)を下山したら、舗装された道路まで降りて、豊受山登山口まで歩いて戻ります。帰り道の法皇トンネルを越えたら、具定展望台に寄りましょう。眼前に広がる「紙のまち」の眺望は圧巻です。ここ具定展望台の美しい夜景は、紙産業の発展の光。日本夜景100選に選ばれています。

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2nd Day

09:00......暁雨館で赤石の名のルーツを探ろう
赤石の名のルーツ 赤茶色のかんらん岩

吹き出し赤石の名のルーツ 赤茶色のかんらん岩吹き出し

1日目に登った法皇山脈では、貴重な鉱物や植物をみることができます。法皇山脈に登ったら、ここ暁雨館でぜひ確かめてみましょう。赤石山系はなぜ「赤石」と呼ばれているのでしょうか?

旅のメモ

ここ暁雨館(ぎょううかん)には、赤石山系の山々の鉱物・岩石が展示してあり、「エクロジャイト」と呼ばれる世界でも珍しい石も紹介されています。赤石山系の「赤石」は、鉄分が酸化して赤茶色になったかんらん岩が岩峰にみられることに由来しています。赤石山系を源流とする川の中でも、とくに関川は岩石鉱物の宝庫として有名で、気軽に珍しい石を探すことができます。展示室でぜひ見てみましょう!暁雨館は当時ここにあった庄屋(当主・山中時風)の館にちなんだ名称で、旧土居町に縁のある偉人の紹介や日本庭園など、歴史文化の展示も充実しています。暁雨館に行ったら、ぜひ産地直売所「楽しみ市」に寄りましょう。ここ四国中央市は「伊予美人」(サトイモ)の産地です。地元の農園で収穫されるサトウキビを活かしたお菓子がオススメです。

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12:00......巨樹・巨木、鎮守の杜は地域の歴史を紡ぐ
クスやイブキの大木を見に行こう

吹き出しクスやイブキの大木を見に行こう吹き出し

四国中央市には「下柏の大柏」「藤原のイブキ」など多くの巨樹巨木が残されています。そのひとつ三皇神社の一番グスは樹齢約千数百年の巨木。鎮守の杜である「棹の森」の中にあります。
山旅では、人と山をつなぐ巨樹巨木も、ぜひチェックしましょう!

旅のメモ

次に向かうのは、昭和25年創業の伝統ある青木蒲鉾店です。ここでは、ぜひ四国中央市の特産「えびちくわ」を食べましょう。瀬戸内海の魚介を使い、自社工場で製造したえびちくわやてんぷら、季節のオリジナル商品をイートインで食べることもできます。また、映画「書道ガールズ」の舞台となった寒川・豊岡海岸からは、製紙工場群がよく見えます。車窓から四国中央市の煙突のある風景を眺めつつ、妻鳥(めんどり)に行きましょう。三皇神社境内には棹の森という鎮守の杜があります。棹のように細長い林地だったことに由来するここ「棹の森」は、周辺の市街化が進む中、地域の保存会が貴重な植生を残す為に活動しています。天然記念物に指定された三本の大クスノキは、鳥居手前から一番グス、二番グス、三番グスと呼ばれています。

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15:30......彩の空間へようこそ、紙の文化にふれてみませんか
紙や水引細工は四国中央市を代表する産業です

吹き出し紙や水引細工は四国中央市を代表する産業です吹き出し

四国中央市は良質な紙の生産地として知られ、2004年から連続で「日本一の紙のまち」に輝いています。紙のまち資料館と愛媛県産業技術研究所紙産業技術センターで、「紙のまち」の歴史や文化を体験してみましょう。

旅のメモ

紙のまち四国中央市の歴史や文化、技術にふれられる場所が愛媛県産業技術研究所紙産業技術センター(以下、紙産センター)と紙のまち資料館です。まず紙産センターに行きましょう。製紙業の歴史にふれつつ、マイクロスコープで紙の繊維を見ると、進化し続ける製紙技術に驚きます。また、四国中央市の特産「水引細工」は、色とりどりで心が踊ります。ここではぜひストラップやコサージュなどを制作できる水引体験をしましょう。次に向かう紙のまち資料館は、四国中央市の紙産業にまつわる歴史や偉人、芸術的な作品の展示があり、手漉き和紙制作の体験ができます。ここのオススメは、1階の即売コーナーです。和紙や絵ハガキ、水引細工など幅広い紙製品が販売されています。ここでしか手にできない素敵なお土産がきっと見つかるはず。

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3rd Day

09:00......川之江城下町の歴史を歩く
川之江城の天守閣から見る城下町

吹き出し川之江城の天守閣から見る城下町吹き出し

川之江城の天守からは製紙工場から立ち上る白い煙、連なる法皇山脈、海に浮かぶ島々と四国中央市のまちを一望することができます。城下町を散策し、四国中央市の今と昔に思いをはせてみましょう。

旅のメモ

仏殿城とも呼ばれる川之江城は桜の名所。天守閣から南西側には遠く法皇山脈が、眼下には川之江城下が広がります。川之江城下を歩くなら、古地図と比べて歩くとおもしろい!川之江城の展示室には古地図をもとに立体模型で城下が復元されているのでチェックしましょう。金生川、讃岐街道がどこを通っていたのか、考えてみると川之江城下の成り立ちが分かります。商店街と直行する路地を進むと、川之江村を治めた一柳直家の陣屋跡があります。最初の角を右手に曲がると、和田医院診療棟(国指定文化財)が見えます。明治時代の木造二階建て建築物で、近代化産業遺産の一つです。さらに進むと近藤篤山塾跡、本陣跡などの石碑があり、この通りが讃岐街道として交通の要所であったことが垣間見えます。吉祥院、妙蓮寺に参拝したあとは、商店街に戻り、柴田モナカ本舗で名物のモナカを頂きましょう。ゴトウ洋菓子店のイートインで季節のケーキを食べるのもオススメです。

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12:00......平家伝説の里・切山を訪れる
切山は讃岐の県境。唐谷峠から四国中央市を見てみよう

吹き出し切山は讃岐の県境。唐谷峠から四国中央市を見てみよう吹き出し

江戸初期の姿を今にとどめる真鍋家住宅を訪れると、柱を塗りこめた重厚な土壁や間取り、茅葺の屋根を見ることができます。囲炉裏の火から伝わるぬくもりや切山・真鍋家の歴史を肌で感じてみませんか。

旅のメモ

川之江まで足を運んだら、平家伝説が残る切山を訪ねましょう。切山休憩所には切山にまつわる平家の歴史や資料を見ることができます。真鍋家住宅は愛媛県最古の民家とされ、1970年に国指定重要文化財に登録されています。真鍋家は安徳天皇の守護にあたった五士を祖先に持つとされ、代々百姓代や組頭を務め地域の中心を担ってきました。囲炉裏では今でも実際に火がたかれ、当時の面影を今に伝えます。周囲は防風林に囲まれ、要害の森と呼ばれる散策道を歩くと樹齢約400年の表桜(おもざくら)を見ることができます。散策を終えた後は、近くのグラブバッグコーヒーストップ&カカオベースキリヤマ店に併設したチョコレート工場で作られる、原料にこだわったチョコレートを食べてみましょう。

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15:00......土佐街道を歩き、新宮茶で心あたたまる時間
峠を越え集落におりついた所が新宮

吹き出し峠を越え集落におりついた所が新宮の「下り付(おりつき)」吹き出し

四国中央は四国の真ん中。この土佐街道は、四国の真ん中を南北につなぐ往還道です。藩主や幕末の志士、民権運動家もこの歴史ある道を歩きました。土佐街道を歩くと、かつての人々の想いに心が重なります。

旅のメモ

四国中央市の旅の最後は、新宮へ。新宮ダムは、柳瀬ダム、富郷ダムとならび、紙産業を支える四国中央市の水がめです。新宮は、四国中央市川之江と高知県大豊町を結ぶ往還道・土佐街道沿いに位置し、かつては坂本龍馬や板垣退助が歩いた歴史の舞台です。道中には新宮の特産・茶畑が広がり、古い石積みが歴史を感じさせます。土佐藩15代藩主の山内豊信が参勤交代の際に詠んだとされる詩が刻まれた詩碑などがあり、往来をしのぶことができます。新宮IC付近まで戻ると道の駅「霧の森」があります。「霧の森茶フェゆるり」「聴水庵」などでお菓子やお茶を楽しんだら、新宮茶を使用した名物「霧の森大福」をぜひお土産にどうぞ。

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